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この作品では世の中の不幸なことやモヤモヤした気持ちや、やり場のない気持ちが最高品質の撮影技術で表現されている。ただ単に一言で不幸は不幸といってもここまで踏み入ったものを描いているわけでもないが、ここまで見せられる物に仕上げるのにはハリウッドの本気を感じた。そんなに構成が練られているとは思えない浅さも少しだけ感じるが、全体的に見るととても淡く情念に訴えてくる余韻があり上質な映画であること間違いない。40代男性

文化の違いから始まり、健常者と障害者の違い、市民と行政機関の違い、国の違い、人種の違い、言語の違い、大人と子供の違いだけでは足りないが。一体何がこれらの線引きを行っているのか。悲しいことに悲劇は誰にでも平等にやってきて、世界で起こっていることは全てどこかで繋がっている。人間だってそうだ。劇中でチエコが欲していたもの、とても単純だが本当に本能的で限りなく真実に近いものだ。きっとこの欲求によって多くの人は本当の意味で繋がっていく。とてもメッセージ性が強く、軽い気持ちで見るような作品ではない。しかし、何度も繰り返し観て解釈を広げて行ったり、世界情勢に対してもっと知るべきだと目を向けるきっかけになると思う。とても美しい映画です。ほんの少しだったとしてもこの世界から差別や偏見が無くなることを願います。50代女性

「モロッコ、アメリカ、メキシコ、日本」の4カ国を舞台に、小さな事件がバタフライエフェクト的に大きな国際問題に発展するスペシャルな映画で、一言でまとめると特盛な作品だけど、会話が入らない沈黙のシーンが多くて、退屈に感じる人もいるかも。個人的には、少し憂鬱さを感じる音楽と美しい映像が、痛みを感じるくらい哀しい感情と相まってとってもいい作品で、メキシコの結婚式がとにかく楽しげに感じたし、サンチャゴがイケメンで嬉しかった。それでも、4ヶ国を舞台にした大きな試みなので、映画史には残るが自分の記憶に残る映画化と言うと疑問が残った。見た後に個人的に、意味を調べたら「言葉 / 心が通じない世界」をテーマにしているので、見ていて誤解は本当に怖いと感じていたのは正解だなと思った。まるでアンジャッシュのコントのようですが、実際にすれ違いするのは悲劇でそれも連続して起きるので観るには体力がいる。最後に、菊地凛子には感謝の言葉を残したい。30代女性

なんの変哲もない日常の点が、細い線でつながるけどその繋がりの意味は誰にも分からなくて、みんな悪い人は一人もいないので余計に切なく感じた。個人的には、群像劇としてはよく出来ていて好きなのだけど、どうしてもチエコの存在意義がわかりづらく、言葉で繋がれない事が究極までゆくとああいう感じになるという解釈に至っている。バベルというタイトルに揺さぶられたと思う。30代男性

大満足で素晴らしい映画でした。世界の各地での出来事が、やがてひとつに繋がる感じはまさに映画の醍醐味だなと感じた。特に、今の日本の描き方にリアリティを感じ、他の国の今の状態も含めてしっかり描いていると感心できた。一つ一つのシーンで、人の心情が痛いくらいに伝わってきた。40代女性

いい作品ではあると疑う余地はなく、一発の銃弾を背景に、ストーリーを組み立てるのは良しとして、どう考えてもあれだけ長く描いても東京を加える意味がわからなかった。ストーリーのパーツは些細な出来事がキッカケでもどかしくも悲しく感じ、なんとなく続きがありそうだなと思える締め方でした。40代女性

境界線は引くことは簡単だけど、取るのは難しいのだろうと疑問に思ったたとえ、無理やり飛び込んでも、そこのマジョリティーには完全に溶け込めないし、人はだれかと同じ意識を共有することにやすらぎを覚えるために、日々活動しているのだと思う。そして原点に帰る映画だけど、ここまで色々と考えさせる映画とは思っていなくて、どう見てもアカデミー賞取れる作品。30代女性

異なるものに抱く不信感と、生き物を踏みにじる行為、性的な逸脱性をバベルという事で、交わることのない文化を持つ4つの国を通して描いた作品。一人の日本人として意見として、異文化の交流を描く以前に監督自身のバイアスが効いてしまっていて、本当にそれぞれの文化の正しい知識を持って撮影に望んでいたのかという疑問を感じその理由は、日本の描かれ方があまりにも外国人から見た日本というステレオタイプな描かれ方をしていたからです。特にこの映画の重要なポイントは、モロッコでアメリカ人が打たれた時、あまりにも早くテロリストの仕業だと決めつけてしまったことが間違いであったと思います。さらに無駄な設定が多い作品でした。30代男性